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YB-1修理の詳細/エンジン分解編 [YB-1 Four]

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 無事修理は終了しましたが、その工程の詳細を書いていこうと思います。作業内容自体はたいして複雑でもないのですが、やはり妙にコツがいるようなところがあったりするので多少面倒でしたね・・・。

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クランクケースカバーを留めているプラスねじですが、これかなり痛みやすいので外してダメそうだったら換えた方がいいかもしれません。上の画像は同じ箇所の部品で、左が古いやつで右が新しいやつです。取ったり締めたりしているうちに伸びたのか、それとも単に仕様変更で多少短くなったのか・・・。

プラスねじのコツとして、できるだけネジ頭に対して真っ直ぐ90°(直角)にドライバーを当て、適度にドライバーを押し付けて回します。この"適度"な力加減がなかなか難しいのですが・・・まずだいたい締まっているネジは硬くなっていることが多いので、最初回り始めるまでは少し強めに押し付けます。で、回り始めたら力は少しでよく、そこからはドライバーがネジに対し斜めったりせずちゃんと真っ直ぐになっているように気をつけます

プラスネジというのはドライバーと真っ直ぐに噛んでいればしっかり噛み合っているので、そうそうなめたりしません。痛んでるネジがなめやすいのはネジ頭がもろくなっていたりなめかかっていたりしてドライバーが真っ直ぐに噛んだ状態を保つことが難しいからです。

これはプラスやマイナスに比べればしっかり噛みやすい六角も同じで、こういうのはすべての角に真っ直ぐ均等に噛んでいることが重要です。

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ケースが空いたらクラッチをバラします。クラッチホルダーで回り止めをし、チゼルドライバーとゴムハンマーでロックワッシャのカシメを起こします。ゴムハンマーじゃなくてもいいかもしれませんが、ようわかりませんw

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こんな感じでカシメが外れたら、ナットを外してクラッチハウジングを外します。

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プライマリードライブギヤを外し、その他の部品も外したらクランクケース右側は終了です。ちなみに部品類の角、特にギヤ類は刃物の刃のように鋭く尖っているので絶対に強く触らないでください。プライマリードライブギヤを掴んでグルグル回していたら手がズタズタになりました (´Д`|||)

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つぎは左側、オルタネーターを外します。使うのはこれ、フライホイールプーラーです。アストロの製品でかなり安価でしたが廃番品で、青梅店に聞いたら埼玉某店と世田谷店にあると言われ、埼玉某店に電話したらどこにも無いと言われましたが結局世田谷店にありました・・・。

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堂 々 の MADE IN CHINA

さすが大陸中華、品質は最悪です。バリだらけだし使えばこの有様。ワッシャーは確実に他のやつを複数枚使って厚くした方がいいです。しかしそれでもこの価格で、とりあえずちゃんと使える道具が手に入るというのは非常に大きいです。たしか1,400〜1,600円(1,200円ではなかったはず)くらいでした。

安工具の二強というとアストロとストレートかなと思いますが、ストレートの方が台湾製などの高品質なものが多くアストロはどちらかというと大陸中華系のものが多い気がします。ただ両店で取り扱い工具の傾向が微妙に異なるので、今後もどっちか一方だけという感じにはならないと思います。

最近はアマゾンとかの通販でも結構良さそうなのがあるので、送料との兼ね合いが悪くなければそっちもありですね。実物が見れないのは通販の弱みですが。

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フライホイールを留めているボルトを外したら、プーラー中心のボルトがクランクシャフトに真っ直ぐに当たるように三つのネジ穴にボルトを締めこんでいきます。

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この部品シャフトのテーパーを利用して相当な力で締まっており、正直外すのに相当な力を要します。外れたその瞬間にはパキンともバキンともつかない物凄い音がしました・・・。

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フライホイールが回らないようにユニバーサルプーリーホルダーを使って押さえます。が、あまりに固くプーリーホルダーがバリバリに削れ空転してまったく作業が進みません (;´Д`) 

ボルトを外す時点ですでにこんな感じだったんですがこれはもうまったくダメです、あまりに固すぎて全体重を乗せてもエンジンが回るわレンチは折れそうになるわで危なっかすぎてやってられません・・・!

プーリーホルダーの柄の部分が短すぎるのが問題で、これはテコの原理で短いとあまり力がかけられないんです。だからレンチ側が長くてもホルダー側が短いのでホルダー側が力負けしてしっかり抑えることができません。結局ガタガタやってるうちになんとか取れましたが、これはちょっとやり方考えた方がいいですね・・・特にエンジンが固定できないときついです。エンジンハンガーかもしくは車体に付いた状態で作業した方がいいかもしれません。

ちなみに、これだけ凄まじい力が掛かるのでフライホイールプーラーのボルト類にはしっかりとグリスを塗ってくださいそうしないとプーラーのネジ山がガリガリに削れて潰れます。

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ようやく外れました・・・こんなフルパワーでゴリゴリやったのではヘッドスタッドボルトがボキ折れると思いヘッドとシリンダーを組んだままにしておいたのは正解だったかもしれません。が、ひとつ失敗したのはカムスプロケットを外してなかった点ですね。またフライホイールはめてホルダーでつかんどけばいけますが、フライホイールを外す前に外しておいた方がいいです (;´Д`)

以上で死ぬほど硬い部品は全部取れたので、あとはシリンダー周りを外してクランクケースを割るだけです。ゴムハンマーとかプラハンでケースの良さそうな箇所をコンコンとリズミカルに(割と勢いよくw)バランス良く叩いていくときれいに外れます。なのでシャフト類は叩かないでください特にクランクシャフトw

あとクランクケース/カバーにはたくさんのネジ/ボルトが使われていますが、あとでどの長さのネジがどこに入ってたのかわからなくならないように写真に撮っておくと便利です。

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これが右側(クラッチ側)クランクケースカバーのネジで、

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これが左側。

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で、これがクランクケース本体を留めているボルトです。上下左右はなんと忘れてしまいましたwwwww

そういう時はとりあえずネジ穴にネジを入れてみます(入れるだけで締めません)。そうすると短いネジのところに長いネジを入れた場合、ネジは大きく飛び出します。そして長いネジのところに短いネジを入れた場合すっぽりと収まってしまいます(そして得てしてネジ山に届かない)。

なのでこのような場合、すべてのネジが均等に同じ長さで飛び出すようにすれば、すべて正しい位置にセットされている可能性が高いんじゃないかなと思います。サービスマニュアル見ても良くわかんないことありますからねww

こんな感じでエンジン全バラ完了です。本当にバラしてしまったwww

そしてこの後、予想以上に砕け散った部品の破片まみれになっていたエンジンのめっっちゃくちゃめんどくさい洗浄作業が待っていました・・・。

続く

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始めよう始めようと思っているうちにもう何年も経ってしまいました。書くべきネタはいろいろありましたが、それらももうたいがい賞味期限切れなような気もしますwwそれでも始めるとりあえず。

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