YB-1修理の詳細/部品編 [YB-1 Four]
なんだか最近記事がやたら長くなっているので、初心に帰ってなるべくシンプルにまとまるようにやっていこうと思います;
今回は組み込んだ部品について詳細を書いていきます。
まずクランク。今回はこいつの大端部ベアリングが砕け散ってしまったがための故障でした。おかげでエンジン内部は削れた金属片だらけで洗浄にかなりの時間を費やし、パーツクリーナーも修理完了までに10本ぐらい使いました・・・。
並べてみたらなんだか某マスケット銃っぽいww
中古のクランクも探してみたんですが今ひとついいのがなく、新品で買っても22,000円くらいするのでそれならあと数千円出して修理ついでに改造してもらおうと思い、井上ボーリングという内燃機屋さんに修理/加工依頼をしました。
ピストンピンの入る小端部の内径を12mmから13mmに拡大し、ピン径13mmのタウンメイトT80ピストンを使用できるようにする加工です。焼戻しや再焼き入れが必要らしく結構面倒らしいですね・・・。
加工/作業工賃と部品代等含めて27,000円くらいでした。丁寧に組み上げてくれるので量産ラインのものよりも精度が良く仕上がっています。
あと井上ボーリングさんではいろいろなことをやっているようで、前の記事で作ったシリンダースペーサーなんかも作ってくれるようです(ブログに載ってました)。
で、こちら破損した部品群です・・・。右上のサイドベアリングは大して痛んでいないと思われますが、そんな高い部品でもないのでついでに取り替えてくれたようです。
今回の故障の原因、コンロッド大端部ベアリングです。見事にバリバリに壊れています・・・(;´Д`)
コンロッド大端部内径もガリガリ ('A`)
クランクピンはもっとガリガリだーーーーー!!!
あー見事に破損。
何か流用できそうなコンロッドも探してもらったんですが、なかなか見つからないようです。YBのコンロッドは大端部/小端部ともに幅が12mmしかなく、この細さでは強度的にあまり余裕がなさそうですね。ホンダとか、ヤマハでも90エンジンなら14mmあるんですが・・・。
余計な抵抗を減らし、強度もそんなにいらないという50ccに適した設計なのかもしれませんが(そのわりにクラッチ容量はでかいが)改造する上ではあまりありがたくないですね。
ちなみに秋葉原にコンロッドを作っているところがあって、100〜300本くらい発注すれば安く作ってくれるそうですw
次に、これが今回使うタウンメイトT80ピストンです。ピストントップがやや盛り上がっており、ホンダの一部年式のカブにポン付けが可能で圧縮を上げることが出来るようです。ちなみに矢印の向いている方向が排気側になります。
下のリング類は画面向かって左からトップリング、セカンドリング、そしてサイドレール、スペーサー、サイドレールです。
サイドレールとスペーサーにはありませんが、トップリングとセカンドリングには上下方向があります。リング切れ目のあたりに " T " とか何かの刻印がある面がピストントップ側です。が、非っっっ常ーにわかりにくくちょっと拭いてよく見たらわかるという感じでした (;´Д`)
続いてトップとセカンドの見分け方ですが、トップリングの場合リングのエッジ(角)が切り落とされていたり斜めっていたりします。一方セカンドリングの角は90°に直角に切り立っています。上の画像をよく見るとその違いがわかると思います。
ノーマルの36mmピストンとの比較です。
たった11mmの差がエンジンの世界では大きな違いであることが実感できますw
始めよう始めようと思っているうちにもう何年も経ってしまいました。書くべきネタはいろいろありましたが、それらももうたいがい賞味期限切れなような気もしますwwそれでも始めるとりあえず。
このような大粒ではありませんが、トライボロジー分野でナノレベルのダイヤモンドが機械の摩擦耐久性を決めているというCCSCモデルが提出されています。ナノレベルたと熱力学的にはグラファイトよりもダイヤモンドが安定になるらしいです。
by ラマン分光ファン (2019-10-27 21:43)