車と歴史/前編 [お出かけ]
日曜に入間市博物館でやっていたジープの機能美展に行ってきました。しかしそこに展示してあったのはジープだけではありません。
まさか日本国内にこんな古いものがまだ残っているとはおどろきました。これは1935年に開発され、量産車された日本初の四輪駆動車です。国内には他に角張っている後期型がきれいな状態で残っていますが、この丸っこい初期型はたしかロシアの博物館にあるのだけでした。
世界的にはジープのパクリという認識があるようですが、この車が開発されたのはジープよりも前です。当時日本軍は機動力の高い乗り物として側車付きバイク(ハーレーのライセンス生産車)を使っていましたが、より強力な高機動車が必要だと思いました。
そこで開発されたのがこの車です。
エンジンは強制空冷 OHV 4st V型2気筒。ほとんどバイクエンジンみたいです。排気量はたしか1200か、スープアップの1400ccだったと思います。このエンジンといい車体のコンパクトさといい、戦後の軽自動車に通じるものを感じます。ホンダのN360のエンジンなんかももろバイクですよね。(4st空冷並列2気筒、しかし排気量は約三分の一から四分の一。技術の進歩を感じます。)
フレームの作りにやはり設計の古さを感じます。
狭いwww
こっちが1945年型。映画に出てくるやつですね。くろがね四起と同時代のモデルです。どっちのジープも入間の現ジープディーラーの所有車だそうです!
だいぶデザイン違いますね。
リアビュー
くろがねはスペアタイヤが欠品しています。
フロントの足回りです。サスペンションはコイルスプリング、ダンパーらしきものはボキ折れてます(;´Д`) フロントタイヤの駆動にもプロペラシャフトが使われています。
見えづらいですがリアはリーフスプリングで、ダンパーも付いています。タイヤはブリヂストンかな?かろうじて「...TON」の文字が見えました。(余談ですが戦後すぐに、いくつかの日本企業は戦闘があった地域に社員を派遣して兵器のメーカー名を消したそうです。)
それにしてもジープの部品を見ていても思ったんですが、昔の車ってこの板バネといいシャフト類や支柱(ポール?ロッド?)なんかの棒の類いが細すぎますよね・・・。足回りの棒とかもよくボキ折れないよなあ、いや折れたのか。親も昔の車はよく故障したと言っていたし。
バイクも一昔(二昔?)前のやつはフレームパイプとか細いですよね。旧車でレースしてる人はフレーム強化すると言っていました。しないとぐにゃんぐにゃんにねじれてやばすぎるそうですwww
とまあこんな感じでした。
しかしこのくろがね四起、アメリカともヨーロッパともつかないなんとも不思議な雰囲気の車でした。何かの雰囲気に似ているようでどの雰囲気にもしっくり収まらない。不思議と妙な不一致感というか、かっこいいなあというのが率直な感情なんですが少し落ち着かない、やや不気味な雰囲気を感じました。
なんとも消化不良というか、わからない感じですが、なんとなくこれはこの車が僕の持っていないルーツを持っているからではないかと思います。作られたものはそれを作った人間の見たもの聞いた音におい、光など感じたもの吸収したものあらゆるものすべてが表れてきます。何かを見て何かしら共感する事があると思いますがそれはその人が同じような体験をしているという事が多いと思います。
ある意味ですごく日本的な雰囲気をこの車から感じますが、それは僕の持っていない感覚、外国人の考えるサムライイーNINJA!みたいな類いの「江戸時代っぽい日本のオーラ」を感じます・・・w
やはり、戦前と戦後でがらりと変わったものは大きかったのだと思います。
やばい宗教臭い長文になってしまいましたが、本当に不思議な空気感を持った一台でした。どこで働いていた車かわかりませんが、初期型だし戦前か開戦前後の生産車だと思います。陰鬱で苦しい、そしてどこか異常な時代の中を走り続けた車だと思うので本当にそういうにおいが染み付いているのかもしれません。
今後レストアするらしいので、見た感じはけっこう変わるかもしれませんね。ボロボロとはいえ当時のそのままの状態を見る事が出来たのは本当に良かったです。
日本の周辺も不穏な空気が漂いはじめています。解決策はまったく容易にはつかめなさそうです。今後どのようになっていくのか本当に不安ですが、こういったものを実際に見るとか聞くとかする事によって、雲をつかむようなものでも多少は実感する事が出来るような気がします。
2014-06-09 19:29
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始めよう始めようと思っているうちにもう何年も経ってしまいました。書くべきネタはいろいろありましたが、それらももうたいがい賞味期限切れなような気もしますwwそれでも始めるとりあえず。
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